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へっぽこプログラマーの覚え書き

AKBリクアワ2018の結果と場合の数と確率(2)

≪本カテゴリー記事の記号の凡例および用語・公式≫

本カテゴリー記事で利用する記号の凡例および用語・公式について説明します。


≪計算式の折り返し≫

本記事では1つの計算式が長くなるときに途中で折り返して次の行に続きの式を書きます。折り返し位置の前後には「⏩」という記号をつけます。

計算式を途中で折り返している例を以下に示します。


\frac{7}{14} \times
\frac{\color{green}{6}}{13} \times
\frac{6}{12} \times
\frac{\color{green}{5}}{11} \times
\frac{5}{10} \times
\frac{\color{green}{4}}{9} \times
\frac{4}{8} 
 \ \ \ \ \ \ ⏩

⏩\ \ \ \ \ \ \ \ \times
\frac{\color{green}{3}}{7} \times
\frac{3}{6} \times
\frac{\color{green}{2}}{5} \times
\frac{2}{4} \times
\frac{\color{green}{1}}{3} \times
\frac{1}{2} \times
\frac{\color{red}{1}}{1}


≪指数形式の表記≫

場合の数は10桁以上の大きな数になることがあります。また、確率の値は小数点以下10桁以上の小さな数になることがあります。いずれの場合も有効数字3桁の指数形式で表記します。

指数形式で表記すると有効数字以外の数字は無視されるため計算結果は概算値になります。

指数表記の例を以下に示します。

 \frac{3,628,800}{187,178,291,200}
≒  \frac{3,628,800}{1.87×10^{11}}
  0.00000000004163 \cdots ≒ 4.16×10^{-11}


≪確率の条件と計算式≫

確率を求める条件の記号(「❸」・「⑦」・「●」・「○」等)と、確率の計算式の対応関係がわかるるように、計算式の分子の数字に色をつけます。分子の条件の記号が同じ数字には同じ色をつけます。

確率の条件と計算式の例を以下に示します。

[条件] ●○❸○●○●○●○●○●○

[計算式]

\frac{\color{green}{6}}{14} \times
\frac{7}{13} \times
\frac{\color{red}{1}}{12} \times
\frac{6}{11} \times
\frac{\color{green}{5}}{10} \times
\frac{5}{9} \times
\frac{\color{green}{4}}{8} 
 \ \ \ \ \ \ ⏩


⏩\ \ \ \ \ \ \ \ \times
\frac{4}{7} \times
\frac{\color{green}{3}}{6} \times
\frac{3}{5} \times
\frac{\color{green}{2}}{4} \times
\frac{2}{3} \times
\frac{\color{green}{1}}{2} \times
\frac{1}{1}


≪確率の値の表記≫

本記事では、確率の値を求めるときに、(約分前の分数)=(既約分数)=(小数)=(百分率( \ \%)と複数の表現方法を併記する形で求めます。
表現方法が違っているだけで、値はいずれも同じです。

確率の値を求める例を以下に示します。

 \frac{3,628,800}{87,178,291,200}
=  \frac{1}{24,024} ≒ \frac{1}{24,000} \\
\ \ \ \ ≒ 0.0000416 \cdots ≒ 0.00416\ \%


≪順列記号( {}_{n}{P}_{r})の多用≫

本記事では、場合の数を計算する公式や計算式で一般的に階乗記号( n!)を使うべきところでも、順列記号( {}_{n}{P}_{r})を使います。

階乗( n!)が足し算や掛け算と同じように、いろいろな用途で使われる汎用的な計算式なのに対して、順列( {}_{n}{P}_{r})は \ n\ 個の中から \ r\ 個選んで並べるときの場合の数を求めるための専用の計算式です。場合の数を求める計算式では、順列( {}_{n}{P}_{r})を使った方が計算式の意味が明確になるはずだという筆者の個人的なこだわりによるものです。


≪用語・公式の説明≫

「確率」は場合の数を使う数学的確率の意味で使います。場合の数を使わない「経験的確率」等とは、定義や計算方法が異なるなるため、混乱を避けるために、明示的に「場合の数を使う確率」といった書き方をする場合があります。


「順列( {}_{n}{P}_{r})」の公式は以下のものを採用します。順列( {}_{n}{P}_{r})の並べ方の考え方や、分割・結合などの計算をするときの計算内容を、イメージしやすいからです。
 
 {}_{n}{P}_{r}=n×(n-1)×(n-2)×\cdots×(n-(r-1)) \\
\ \ \ \ = \prod_{i=0}^{r-1}(n-i)

順列( {}_{n}{P}_{r})の計算例を以下に示します。

 {}_{6}{P}_{3}=6×5×4


「組合せ( {}_{n}{C}_{r})」の公式は以下のものを採用します。組合せ( {}_{n}{C}_{r})の並べ方の考え方や、分割・結合などの計算をするときの計算内容を、イメージしやすいからです。

 {}_{n}{C}_{r}
=\frac{{}_{n}{P}_{r}}{{}_{r}{P}_{r}}
=\frac{n×(n-1)×(n-2)×\cdots×(n-(r-1))}
{r×(r-1)×(r-2)×\cdots×(r-(r-1))} \\
\ \ \ \ =\frac{\prod_{i=0}^{r-1}(n-i)}
{\prod_{i=0}^{r-1}(r-i)}
 
組合せ( {}_{n}{C}_{r})の計算例を以下に示します。

 {}_{6}{C}_{3}=\frac{6×5×4}{3×2×1}


≪組合せ( {}_{n}{C}_{r})の公式についての補足≫

組合せ( {}_{n}{C}_{r})の公式を総乗記号 \prod(パイ)を使って表すときに、単純に分数の計算式と考えると、
 \frac
{{b}_{0}×{b}_{1}×{b}_{2}× \cdots ×{b}_{n}}
{{a}_{0}×{a}_{1}×{a}_{2}× \cdots ×{a}_{n}}
=\frac{{b}_{0}}{{a}_{0}}×
\frac{{b}_{1}}{{a}_{1}}×
\frac{{b}_{2}}{{a}_{2}}×
\cdots × \frac{{b}_{n}}{{a}_{n}}
となるので、以下のような簡潔な式で表せます。
 \prod_{i=0}^{r-1}(\frac{n-i}{r-i})

しかし、 \frac{{b}_{0}}{{a}_{0}}×
\frac{{b}_{1}}{{a}_{1}}×
\frac{{b}_{2}}{{a}_{2}}×
\cdots × \frac{{b}_{n}}{{a}_{n}}という式は、場合の数や確率の計算として考えると、もとの式である \frac{{}_{n}{P}_{r}}{{}_{r}{P}_{r}}とは違う意味の計算になります。(場合の数) ÷(場合の数)ではなく、(確率) ×(確率) ×(確率) × \cdots
×(確率)という計算になっています。

もとの式の意味がわかるように、組合せ( {}_{n}{C}_{r})の公式を相乗記号 \prod(パイ)を使って表した式は、以下の式にしました。
 \frac{\prod_{i=0}^{r-1}(n-i)}
{\prod_{i=0}^{r-1}(r-i)}


【参考にしたサイト】 

◆順列組合せの公式はΠ(総乗)を使うべき: 万象酔歩
http://k-hiura.cocolog-nifty.com/blog/2012/10/post-194f.html


以下の記事に続きます。
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