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へっぽこプログラマーの覚え書き

AKBリクアワ2018の結果と場合の数と確率(19)

閾値(しきい値)の影響を受ける確率≫

今回は、AKBリクアワ2018のランキング順位で、特定の条件を満たす結果が起こる確率を分析するときに、現実的にありえいないと判断する閾値(しきい値)を決めたら、調べたい結果以外の結果が起こる確率に対してどう影響するのかについて考えてみます。


≪ベスト14の根元事象が起こる確率≫

何かをした結果、起こる可能性があるひとつひとつの結果のことを根元事象といいます。場合の数を使う確率では、根元事象が起こる確率は、同様に確からしいことが前提になっています。根元事象が起こる確率はどの根元事象でも同じで、以下の式で計算できます。

 根元事象が起こる確率=\frac{1}{全ての場合の数}


ある結果が起こる確率は、全ての場合の数に対する、求める場合の数の割合であると同時に、ある結果が起こるための条件を満たす根元事象の確率の合計値にもなっています。それは、確率を求める計算式が以な下のように変形できることからもわかります。

 ある結果が起こる確率=\frac{求める場合の数}{全ての場合の数}

 =\frac{1}{全ての場合の数}×求める場合の数

 =根元事象が起こる確率×求める場合の数

ある結果が起こる確率は、根元事象が起こる確率の倍数になります(1倍した倍数も含む)。したがって、ある結果が起こる確率が根元事象の起こる確率より小さくなることはありません。

根元事象が起こる確率より大きい値(根元事象の2倍以上の値)が、現実的に有りえないことを判断する閾値しきい値)になると、根元事象の起こる確率の値は、現実的にはありえない値と判断されてしまいます。

ランキング結果のベスト14の根元事象が起こる確率は、 \frac{1}{14×13×12×11×10×9×8×7×6×5×4×3×2×1} =\frac{1}{87,178,291,200} =0.0000000000114で、 \frac{1}{24,000}=0.0000416より小さい値になります。

根元事象が起こる確率の値を現実的にはありえない値と判断するということは、ベスト14でどういう結果が出ても、すべて捏造順位であることがほぼ確実ということになります。

それでは、根元事象の起こる確率の値そのものを閾値しきい値)にしたらどうなるでしょうか。ある出来事の起こる確率が、根元事象の起こる確率より小さくなることは有りえないので、閾値しきい値)としての役目を果たしていないことになります。


≪ベスト14で、●○❸○●○●○●○●○●○に類似した出来事が起こる確率(1)≫

起こる確率の値が \frac{1}{24,000}より小さい結果は、現実的にはありえないと判断するのであれば、起こる確率が \frac{1}{24,024}になる結果は全て現実的にはありえない結果だと判断しなければいけないはずです。

以下の記事で説明したように、14個の石を一列に並べるときに起こる可能性がある全ての結果は、起こる確率が●○❸○●○●○●○●○●○という条件と同じ \frac{1}{24,024}になる結果が集まってできていると考えることができます。

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起こる確率が \frac{1}{24,024}になる結果は全て現実的にはありえない結果だと判断すると、ベスト14でどういう結果が出ても、すべて捏造順位であることがほぼ確実ということになってしまいます。


≪ベスト14で、●○❸○●○●○●○●○●○に類似した出来事が起こる確率(2)≫

14個の石を一列に並べるときに、以下の条件を満たす確率はどちらも同じ \frac{1}{24,024}です。

[条件19-1]○○○○○○⑦●●●●●●●
[条件19-2]●○❸○●○●○●○●○●○

平山氏が考える妥当なランキング順位から類推すると、[条件19-1]は妥当な順位だけど、[条件19-2]はあり得ない順位ということになります。

しかし、起こる確率が \frac{1}{24,000}より小さい結果は、現実的にはありえないと判断するのであれば、[条件19-1]と[条件19-2]を満たす結果は、どちらも捏造順位であることがほぼ確実ということになります。


≪ベスト10、ベスト12、ベスト14と確率を調べる対象範囲が変わったときの確率≫

 根元事象が起こる確率=\frac{1}{全ての場合の数}なので、全ての場合の数が、10、100、1,000と大きくなると、根元事象が起こる確率は \frac{1}{10}、\frac{1}{100}、\frac{1}{1,000}と小さくなります。

同じような条件の結果でも、全ての場合の数が変わると、その結果が起こる確率は変わります。確率の値は根元事象の起こる確率の倍数で、根元事象の起こる確率は、全ての場合の数をもとに計算するからです。

たとえば、以下の1.~3.の条件は、同じような条件で、一列に並べる石の個数だけが違います。石の個数が変わるので全ての場合の数も変わります。

  1. 1~5の番号がついた○石5個、1~5の番号がついた●石5個、合計10個の石を、一列に並べるときに、●○❸○●○●○●○という条件を満たす確率。 \ \\
  2. 1~6の番号がついた○石6個、1~6の番号がついた●石6個、合計12個の石を、一列に並べるときに、●○❸○●○●○●○●○になる確率。 \ \\
  3. 1~7の番号がついた○石7個、1~7の番号がついた●石7個、合計14個の石を、一列に並べるときに、並び順が●○❸○●○●○●○●○●○になる確率。

1.の確率は、0.000793です。計算式は以下の通りです。

 \frac{
\color{green}{4}×
5×
\color{red}{1}×
4×
\color{green}{3}×
3×
\color{green}{2}×
2×
\color{green}{1}×
1
}{10×9×8×7×6×5×4×3×2×1}=0.000793


2.の確率は、0.000180です。計算式は以下の通りです。

 \frac{
\color{green}{5}×
6×
\color{red}{1}×
5×
\color{green}{4}×
4×
\color{green}{3}×
3×
\color{green}{2}×
2×
\color{green}{1}×
1
}{12×11×10×9×8×7×6×5×4×3×2×1}=0.000180


3.の確率は、0.0000416です。計算式は以下の通りです。

 \frac{
\color{green}{6}×
7×
\color{red}{1}×
6×
\color{green}{5}×
5×
\color{green}{4}×
4×
\color{green}{3}×
3×
\color{green}{2}×
2×
\color{green}{1}×
1
}
{14×13×12×11×10×9×8×7×6×5×4×3×2×1}=0.0000416


3つとも同じような条件ですが、全ての場合の数が多いほうが、確率の値が小さくなっています。

1.と2.の確率の値は \frac{1}{24,000}=0.0000416よりも大きくなります。

もしも確率の値が \frac{1}{24,000}より大きいとき、捏造順位ではないということになるのであれば、同じような条件の確率でも、ベスト14のときは捏造順位になるが、ベスト12、ベスト10のときは捏造順位ではない、というおかしなことになります。


以下の記事に続きます。
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