≪平山氏の記事の評価できる点と問題点≫
今まで平山氏の記事の疑問点について、ひとつひとつ確認してきました。平山氏の記事を読んで感じた、評価できる点と問題点をまとめてみます。
≪平山氏の記事の評価できる点≫
以下の記述は、確率の定義にある同様に確からしい結果になることを意識して、石を選んで並べる手順を説明されているのだと思われる。
作為性がない場合、NGTの曲が奇数順位だけに入り、研究生の曲が3位になる確率は、手触りに差のない●石6個、❸石1個と○石7個を混ぜ合わせ、目隠しして一列に並べ
「捏造順位である確率は約99.99%でほぼ確実と判断でき」と断言をさけた微妙な言い方から、確率の値が0より大きいとき、どんなに小さい値であっても、その結果は絶対に起こらないわけではなく、起こりにくいだけだということを意識しておられることがわかる。
確率の計算で「(6/14)×(7/13)×(1/12)×(6/11)×(5/10)×(5/9)×(4/8)×(4/7)×(3/6)×(3/5) ×(2/4)×(2/3)×(1/2)×(1/1)」と、石の個数分の分数を掛け算しておられる。
14個の石を一列に列べるときの確率を計算するとき、分母と分子で、それぞれ計算する石の個数(掛け算する数字の個数)は一致している必要があります。しかし、●○❸○●○●○●○●○●○という条件の「❸」のように数字が「1」になるものは、計算式上は「」という計算になるため省略しがちです。また、実際の計算には関数電卓や表計算ソフトを使うとしても、14個の数字の掛け算の式を入力するとなると、入力誤りがあってもおかしくありません。
計算式を石の個数分の掛け算にすることで、分母と分子の石の個数(掛け算する数字の個数)の不一致という問題は発生しなくなります。
また、1つ1つの順位が起こる確率を求めた上で計算ミスをしないように確実に計算しているんですよ、という平山氏のこだわりのようなものを感じます。
≪平山氏の記事の問題点≫(2021.12.29修正)
平山氏の記事は、AKBリクアワ2018のランキング上位に、NGTの曲がランクインすることはありえない理由として確率の値の低さをあげています。
しかし、前回までの記事で説明してきたように、NGTの曲がランキング上位にランクインすることがありえない理由として、○石7個・●石7個の合計14個の石を一列に並べるときに、特定の条件を満たす石の並べ方が起こる確率の値を用いることはできません。
平山氏の記事の確率の説明をしている部分に、確率の計算について誤解がないように、ベスト14の結果が○○○○○○⑦●●●●●●●になる確率の説明を追記すると以下のようになります。
(赤字部分が追記部分です)
NGTの曲が研究生の曲も含めてベスト14に7曲入ることを前提としても、作為性がない場合、NGTの曲が奇数順位だけに入り、研究生の曲が3位になる確率は、手触りに差のない●石6個、❸石1個と○石7個を混ぜ合わせ、目隠しして一列に並べ、●○❸○●○●○●○●○●○となる確率で、(6/14)×(7/13)×(1/12)×(6/11)×(5/10)×(5/9)×(4/8)×(4/7)×(3/6)×(3/5) ×(2/4)×(2/3)×(1/2)×(1/1)=3,628,800÷87,178,291,200=0.0000416250416となり、2万4千回に1回も起こらない珍事である。
したがって、14位以内の曲はすべて正当な得票で集計して14位以内だったと仮定しても、捏造順位である確率は約99.99%でほぼ確実と判断できる。
また、NGT以外の曲が研究生の曲も含めてベスト14に7曲入ることを前提としたときに、1位~6位がNGT以外の曲で7位がAKB48 16期研究生の「抱きつこうか?」、8位~14位がNGTの曲になるのは実人気を考慮すると妥当な結果と思われる。
⑦石がAKB48 16期研究生の「抱きつこうか?」を表しているとすると、その確率は、手触りに差のない○石6個、⑦石1個と●石7個を混ぜ合わせ、目隠しして一列に並べ、○○○○○○⑦●●●●●●●となる確率で、(6/14)×(5/13)×(4/12)×(3/11)×(2/10)×(1/9)×(1/8)×(7/7)×(6/6)×(5/5) ×(4/4)×(3/3)×(2/2)×(1/1)=3,628,800÷87,178,291,200=0.0000416250416となり、2万4千回に1回も起こらない珍事である。
したがって、14位以内の曲はすべて正当な得票で集計して14位以内だったと仮定しても、1位~6位がNGT以外の曲で7位がAKB48 16期研究生の「抱きつこうか?」、8位~14位がNGTの曲という順位が捏造順位である確率は約99.99%でほぼ確実と判断できる。
そのうえ、実人気を考慮すれば、正当な投票で研究生の曲以外のNGTの曲がベスト14に6曲以上入る可能性はほぼ皆無であり、
確率に関する説明の部分で何を言いたいのか意味不明になっていしまいます。記事を読んだ人が混乱するだけなので、確率に関する説明は削除したほうがいいと思います。
平山氏の記事から確率に関する記述を削除すると、「NGTの曲が研究生の曲も含めてベスト14に7曲入ることを前提としても」~「捏造順位である確率は約99.99%でほぼ確実と判断でき、そのうえ、」までが削除されることになります。
その結果、ランキング順位は、全国的な知名度の高さやCDの売上枚数の多さに近いものになるはずだと考えていることが読み取れる記述だけが残ります。
1人のファンが何票でも投票できるAKBリクアワ2018のランキング順位が、全国的な知名度の高さやCDの売上枚数の多さに近いものになる理由については何も書かれていないため、理由をのべずに、平山氏がこう考えているという意見だけが書かれた記事になってしまいます。
しかし、確率についての説明が書かないほうがいいぐらい無意味なものになっているからこそ、1人のファンが何票でも投票できて、自分が応援しているグループにトップになってもらいたいと思っているAKBグループの各グループのファンどうしの競争という一面もあるAKBリクアワ2018のランキング順位が、なぜ全国的な知名度の高さやCDの売上枚数の多さに近いものになるのか、その理由について書いておくべきだと思います。
その点に関する筆者の意見は、以下の記事に書いた通りです。
AKBリクアワ2018の結果と場合の数と確率(6) - 丿乀庵【へつぽつあん】
平山氏の記事に対する疑問点の確認は、今回で終了です。
次回以降、場合の数と確率だけでなく、いろいろな計算をして、AKBリクアワ2018の結果について筆者なりの考察をしてみたいと思います。
以下の記事に続きます。
AKBリクアワ2018の結果と場合の数と確率(22)