丿乀庵【へつぽつあん】

へっぽこプログラマーの覚え書き

分数の逆数と比例式(27)

前回に引き続き、計算結果が同じになる分数とはどういう分数なのかについて考える。

 \ \frac{a}{b}=z\ のとき、 \ \frac{a}{b}=z\ を式変形した \ z × b= a\ の計算で、計算結果 \ (z)\ が変わらないように \ b\ の値を変えた場合、 \ b\ が小さくなると \ a\ も小さくなって、 \ b\ が大きくなると \ a\ も大きくなる。

文字式で表すと以下のようになる。

 z×(b-3)=(a-3z)\ ,\ \ (\frac{a-3z}{b-3}=z)

 z×(b-2)=(a-2z)\ ,\ \ (\frac{a-2z}{b-2}=z)

 z×(b-1)=(a-z)\ ,\ \ (\frac{a-z}{b-1}=z)

 z×b=a\ ,\ \ (\frac{a}{b}=z)

 z×(b+1)=(a+z)\ ,\ \ (\frac{a+z}{b+1}=z)

 z×(b+2)=(a+2z)\ ,\ \ (\frac{a+2z}{b+2}=z)

 z×(b+3)=(a+3z)\ ,\ \ (\frac{a+3z}{b+3}=z)

分子の数 \lt分母の数、分子の数 \gt分母の数、分子の数 =分母の数、のいずれの場合も、上記のようになる。

つまり、任意の分数 \ \frac{a}{b}\ と計算結果が同じ分数が存在するかどうかを調べるときは、以下の \ A・B\ の二つの集合に含まれる分数を調べればよい。

 A=\{\frac{m}{n}\ |\ m \lt a\ ,\ かつ\ ,\ n \lt b\}
 分子の数 \lt a\ ,\ かつ\ ,\ 分母の数 \lt b\ の全ての分数

 B=\{\frac{m}{n}\ |\ m \gt a\ ,\ かつ\ ,\ n \gt b\}
 分子の数 \gt a\ ,\ かつ\ ,\ 分母の数 \gt b\ の全ての分数

なお、以下の \ C・D\ の二つの集合に含まれる全ての分数は計算結果が異なるため、 C・D\  \ \frac{a}{b}\ と計算結果が同じ分数は存在しない。

 C=\{\frac{m}{n}\ |\ m=a\}
 分子がaの全ての分数 (\ \frac{a}{1}\ ,\  \frac{a}{2}\ ,\  \frac{a}{3}\ ,\  \frac{a}{4}\ ,\  \frac{a}{5}\ ,\  …)

 D=\{\frac{m}{n}\ |\ n=b\}
 分母がbの全ての分数 (\ \frac{1}{b}\ ,\  \frac{2}{a}\ ,\  \frac{3}{b}\ ,\  \frac{4}{b}\ ,\  \frac{5}{b}\ ,\  …)