を式変形すると、 になって、計算結果が同じ分数 は、掛け算で表すと全て の形になることを説明した。
たとえば、の計算結果の場合、以下のようになる。
0.75×1=0.75
0.75×2=1.5
0.75×3=2.25
0.75×4=3
0.75×5=3.75
0.75×6=4.5
0.75×7=5.25
0.75×8=6
0.75×9=6.75
0.75×10=7.5
0.75×11=8.25
0.75×12=9
上記の計算式では、 のを変えずにだけ変えていてるので、計算結果から得られる分数は、全てを倍分した分数になる。
分数の計算結果は小数になることが多い。 の計算式で が小数だと、 も小数になる可能性が高い。
しかし、分数の分母と分子は整数という前提で考えているので、上記の掛け算で求めた計算結果から小数のものを除外して、分母と分子が整数の組み合わせのものだけにする必要がある。
比は小数もあつかうので、分数を比に置き換えて考えてみる。
比に置き換えると、上記の計算式から得られる比は、全てを倍分した比になる。
比で小数が出てきた場合、一番小さい整数の比に直す。一番小さい整数の比は、分数の既約分数に該当する。
小数を含む比を一番小さい整数の比に直すときは以下の手順で行う。
・前項と後項に同じ数を掛けて、前項と後項を整数にする。
・前項と後項が同じ整数で割り切れるときに、前項と後項をその整数で割るという計算を繰り返す。
の場合は、以下の手順になる。
・を100で倍分するとになる。
・を5で約分するとになる。
・を5で約分するとになる。
これ以上、整数で約分できないので、の一番小さい整数の比はになる。
一番小さい整数の比は、 の形の計算式ではになるので、のときにが整数になることになる。
比で考えたことを分数に置き換えて考え直すと、の計算結果を の形で計算して得られた分数について以下のことがいえる。
分母と分子が両方とも整数の分数で、分母と分子が一番小さい数になるのは、既約分数である。
分母と分子が両方とも整数になるのは、を倍分した分数である。
また、の計算結果をの形で計算して得られる分数は、全てを倍分した分数なので、そこから分母・分子が両方とも整数の分数だけを取り出したあとの全ての分数は、同じ既約分数を倍分した分数になる。