丿乀庵【へつぽつあん】

へっぽこプログラマーの覚え書き

分数の逆数と比例式(32)

今回は、全ての既約分数の計算結果が異なる理由について考える。

 a・b\ が\ 0\ より大きい整数、 n\ が\ 0\ より大きい任意の整数のときに以下の集合を求める。

 A = \{\frac{a}{b}|\ a \gt 0\ ,\ b \gt 0 \}

 集合\ A\ は、分母と分子が両方とも、0より大きい整数になる全ての分数を表す。


集合Aの全ての分数に対して、 nの値を 1\ ,\ 2\ ,\ 3\ ,\ 4\ ,\ 5\ ,\ …\  \ 1\ から順に、 \ 1\ ずつ増やして、以下の①~④の判定を繰り返すと、判定済みの既約分数は全て計算結果が異なる値になる。

 集合\ A\ から以下の三つの集合を求める。

 B = \{\frac{a}{b}|\ a \gt n\ ,\ b=n \}

 C = \{\frac{a}{b}|\ a=b=n \}

 D = \{\frac{a}{b}|\ a=n\ ,\ b \gt n \}

 集合\ B\ の分数の計算結果は、全て異なる値になって、 \ 1\ より大きくなる。

 集合\ C\ の分数の計算結果は、 \ 1\ になる。

 集合\ D\ の分数の計算結果は、全て異なる値になって、 \ 1\ より小さくなる。


②集合 \ B・C・D\  から、それぞれ、可約分数として判定済みの分数を取り除いた集合を集合 \ E・F・G\  とする。

③集合Aにある、集合 \ E・F・G\  の分数を既約分数として判定済みにする。

④集合Aにある、集合 \ E・F・G\  の分数を倍分した、全ての分数を可約分数として判定済みにする。



上記の判定を繰り返すと、以下のようになる。

 n = j\ のときの判定では、集合 \ E・F・G\  に、 n  \lt j\ のときに既約分数と判定された分数を倍分した可約分数が存在しない。

 n = j+k\  のときの判定では、集合 \ E・F・G\  に、 n \lt j+k\ のときに既約分数と判定された分数を倍分した可約分数が存在しない。