丿乀庵【へつぽつあん】

へっぽこプログラマーの覚え書き

分数の逆数と比例式(29)

今回は、前回確かめたことが、分数の計算結果が、 \ 1\ より大きい小数の場合、整数の場合にも成り立つか確かめてみる。

●分数の計算結果が \ 1\ より大きい小数の場合

 \frac{16}{10}\ の計算結果 \ 1.6\ について、 \frac{a}{b}=z\  z×b=a\ に式変形した計算結果は以下のようになる。

1.6×1=1.6 \ \ (\frac{1.6}{1}=1.6)

1.6×2=3.2 \ \ (\frac{3.2}{2}=1.6)

1.6×3=4.8 \ \ (\frac{4.8}{3}=1.6)

1.6×4=6.4 \ \ (\frac{6.4}{4}=1.6)

1.6×5=8 \ \ (\frac{8}{5}=1.6)

1.6×6=9.6 \ \ (\frac{9.6}{6}=1.6)

1.6×7=11.2 \ \ (\frac{11.2}{7}=1.6)

1.6×8=12.8 \ \ (\frac{12.8}{8}=1.6)

1.6×9=14.4 \ \ (\frac{14.4}{9}=1.6)

1.6×10=16 \ \ (\frac{16}{10}=1.6)

1.6×11=17.6 \ \ (\frac{17.6}{11}=1.6)

1.6×12=19.2 \ \ (\frac{19.2}{12}=1.6)

上記の計算式では、 z×b=a\  \ z\ を変えずに \ b\ だけ変えていてるので、計算結果から得られる分数は、全て \ \frac{1.6}{1}を倍分した分数になる。

比に置き換えると、上記の計算式から得られる比は、全て \ 1.6:1\ を倍分した比になる。

 \ 1.6:1\ を、一番小さい整数の比にする。

 \ 1.6:1\ を10で倍分すると \ 16:10\ になる。
 \ 16:10\ を2で約分すると \ 8:5\ になる。

これ以上、整数で約分できないので、 \ 1.6:1\ の一番小さい整数の比は \ 8:5\ になる。

一番小さい整数の比 \ 8:5\ は、 z×b=a\ の形の計算式では \ 1.6×5=8になるので、 b\ が\ 5\ の倍数のときに a\ が整数になることになる。

比で考えたことを分数に置き換えて考え直すと、 \frac{16}{10}\ の計算結果 \ 1.6 \ z × b= a\ の形で計算して得られた分数について以下のことがいえる。

分母と分子が両方とも整数の分数で、分母と分子が一番小さい数になるのは、既約分数 \ \frac{8}{5}\ である。

分母と分子が両方とも整数になるのは、 \ \frac{8}{5}\ を倍分した分数である。

また、 \frac{16}{10}\ の計算結果 \ 1.6\  \ z × b= a\ の形で計算して得られる分数は、全て \ \frac{1.6}{1}を倍分した分1なので、そこから分母・分子が両方とも整数の分数だけを取り出したあとの全ての分数は、同じ既約分数 \ \frac{8}{5}\ を倍分した分数になる。


●分数の計算結果が整数の場合

 \frac{6}{2}\ の計算結果 \ 3\ について、 \frac{a}{b}=z\  z×b=a\ に式変形した計算結果は以下のようになる。

3×1=3 \ \ (\frac{3}{1}=3)

3×2=6 \ \ (\frac{6}{2}=3)

3×3=9 \ \ (\frac{9}{3}=3)

3×4=12 \ \ (\frac{12}{4}=3)

3×5=15 \ \ (\frac{15}{5}=3)

3×6=18 \ \ (\frac{18}{6}=3)

3×7=21 \ \ (\frac{21}{7}=3)

3×8=24 \ \ (\frac{24}{8}=3)

3×9=14.4 \ \ (\frac{27}{9}=3)

3×10=30 \ \ (\frac{30}{10}=3)

3×11=33 \ \ (\frac{33}{11}=3)

3×12=36 \ \ (\frac{36}{12}=3)

上記の計算式では、 z×b=a\  \ z\ を変えずに \ b\ だけ変えていてるので、計算結果から得られる分数は、全て \ \frac{3}{1}を倍分した分数になる。

分数の計算結果が整数の場合、 z\ と\ b\ が両方とも整数なので、aは必ず整数になるため比に置き換える必要がない。

分母と分子が両方とも整数の分数で、分母と分子が一番小さい数になるのは、既約分数 \ \frac{3}{1}\ である。

また、 \frac{6}{2}\ の計算結果 \ 3\  \ z × b= a\ の形で計算して得られる分数は、全て \ \frac{3}{1}を倍分した分数なので、そこから分母・分子が両方とも整数の分数だけを取り出したあとの全ての分数は、同じ既約分数 \ \frac{3}{1}\ を倍分した分数になる。