今回は、分数の逆数との関係を考えるうえでの比に対する用語を定義する。
比では「簡単な比に直す」というような言い方をするが、分数の倍分・約分に該当する用語がない。そのため、可約分数・既約分数に該当する用語もない。
仕方がないなので、比の値の分数に対する計算と同じ計算という意味で、倍分・約分・可約分数・既約分数という言葉をそのまま使う。
なお、比では、0.5 : 1.5 のように前項と後項が整数以外の数になることがある。(分数も、本来は、分母と分子が整数以外の数になってもよい)そのため、分数の既約分数に近い用語は「一番小さい整数の比」になる。
分数の逆数との関係について考えているので、これ以降、整数の比だけを対象にして、比に対する倍分・約分・可約分数・既約分数という用語を以下の意味で用いる。
倍分:前項と後項に同じ数をかけること。
約分:前項と後項が同じ数で割り切れるときに、前項と後項を同じ数で割ること。
既約分数:比の値が既約分数である。
可約分数:比の値が可約分数である。