前回まで分数の逆数について考えたことを、以下の2つの証明にまとめる。
【証明[1]:のとき、の分母・分子を入れ替えた分数は、 の逆数になる。】
なので、のとき、の分母・分子を入れ替えた分数はの逆数になる。■
【証明[2]:が任意の既約分数のとき、を倍分した全ての分数の逆数は、の分母と分子を分子入れ替えた分数を倍分した全ての分数になる。】
任意の既約分数を倍分した可約分数を以下のように定義する。
上記の定義で、を計算すると
となるので、となる。
がどのような数の組み合わせであっても、との計算結果は同じになる。つまり、既約分数を倍分した全ての分数は、計算結果が同じになる。
【証明[1]】の証明結果から、
①より、②の 計算式でと を、それぞれ以下の分数に置き換えても計算結果は 1 で変わらない。
・と既約分数が同じ別の分数
・と既約分数が同じ別の分数
したがって、が任意の既約分数のとき、を倍分した全ての分数の逆数は、の分母と分子を分子入れ替えた分数を倍分した全ての分数になる。■