今回は、倍分や約分の意味について、あらためて考えてみる。
分数の倍分や約分は、どんな数で倍分するか、どんな数で約分するかに関係なく、1を掛けることを意味する。
倍分は分母と分子の両方に同じ数を掛ける。約分は分母と分子の両方を同じ数を割る。これらは、どちらも、もとの分数に分母と分子が同じ分数を掛けることになるので、1を掛けることになる。
これは、実際に計算すると、分母と分子の数は変わるが、分数としての値(分子 ÷ 分母 の計算結果)は、もとの分数と同じであることを意味する。
文字式で確認すると以下のようになる。
①もとの分数を で倍分する。
②もとの分数をで約分する(1)
分数の割り算は、割る数の分母と分子を入れ替えて掛け算で計算するので、m の分母と分子の色が①とは逆になる。
なお、(は、をで約分した分数)とした場合、上記の約分の計算②を文字式で表すと以下のようになる。
③もとの分数をで約分する(2)
(は、をで約分した分数)
②と③は同じ計算をしているので、となる。
分数の割り算を分数のまま計算するので、m の分母と分子の色は①と同じになる。