前回まで、分数の逆数は既約分数を倍分する形で、比の外項の積・内項の積は一番小さい整数の比を倍分する形で、考えた。
その前提条件は、計算結果が同じ分数は既約分数が同じになることであった。
今回から、その理由について考える。
結論を先にいっておくと、という形で表される全ての分数の中で、任意の既約分数と計算結果が同じになる分数は、分数を倍分した可約分数だけだからである。
つまり、全ての既約分数の計算結果は異なる値になる。
もう少し詳しく説明すると以下のようになる。
という形で表される全ての分数から、任意の既約分数をもとに以下の二つの集合を作る。
の中に、既約分数と計算結果が同じになる分数は存在しない。
の中で、既約分数と計算結果が同じになる分数はを倍分した可約分数だけである。