丿乀庵【へつぽつあん】

へっぽこプログラマーの覚え書き

分数の逆数と比例式(25)

前回まで、分数の逆数は既約分数を倍分する形で、比の外項の積・内項の積は一番小さい整数の比を倍分する形で、考えた。

その前提条件は、計算結果が同じ分数は既約分数が同じになることであった。

今回から、その理由について考える。

結論を先にいっておくと、 \frac{a}{b}\ という形で表される全ての分数の中で、任意の既約分数 \ \frac{j}{k}\ と計算結果が同じになる分数は、分数 \ \frac{j}{k}\ を倍分した可約分数だけだからである。 (a\ ,\ b\ ,\ j\ ,\ k\ は、0\ より大きい整数)

つまり、全ての既約分数の計算結果は異なる値になる。

もう少し詳しく説明すると以下のようになる。

 \frac{a}{b}\ という形で表される全ての分数から、任意の既約分数 \ \frac{j}{k}\ をもとに以下の二つの集合を作る。

 A=\{\frac{a}{b}\ |\ a \lt j \ 、または、\ b \lt k\}
 B=\{\frac{a}{b}\ |\ a>j\ 、または、\ b>k\}

 集合Aの中に、既約分数 \ \frac{j}{k}\ と計算結果が同じになる分数は存在しない。

 集合Bの中で、既約分数 \ \frac{j}{k}\ と計算結果が同じになる分数は \ \frac{j}{k}\ を倍分した可約分数だけである。