丿乀庵【へつぽつあん】

へっぽこプログラマーの覚え書き

AKBリクアワ2018の結果と場合の数と確率(14)

≪○石の個数=●石の個数のときの確率の計算(3)≫

前回までの確率の計算結果をもとに、平山氏が妥当だと考えている順位と、現実的にあり得ないと考えている順位になる確率について比較して考えみたいと思います。

条件に出てくる記号の意味は以下の通りです。
「○」:NGT以外の曲(研究生の曲を含む)
「●」:NGTの曲(研究生の曲を含む)
「⑦」:AKB研究生の曲
「❸」:NGT研究生の曲


≪平山氏が妥当だと考えている順位と、現実的にあり得ないと考えている順位になる確率≫

以前の記事で、平山氏が考えるベスト14のランキング順位の結果で、一番妥当なのは以下の[条件14-1]の順位で、一番あり得ないのは[条件14-2]の順位だと説明しました。

[条件14-1]○○○○○○○●●●●●●●
[条件14-2]●●●●●●●○○○○○○○

しかし、上記の2つの条件は、いずれも、「○」カード7枚・「●」カード7枚からなる条件なので、確率の値は、いすれも同じ値になります。


また、また、NGTの曲とNGT研究生の曲を区別する場合、一番妥当なのは以下の[条件14-3]の順位、一番あり得ないのは[条件14-5]の順位、[条件14-4]はその中間と考えていることになると説明しました。

[条件14-3]○○○○○○○●●●●●●❸
[条件14-4]●○❸○●○●○●○●○●○
[条件14-5]❸●●●●●●○○○○○○○

しかし、上記の3つの条件は、いずれも、「❸」カード1枚・「●」カード6枚・「○」カード7枚からなる条件なので、確率の値は、いすれも同じ値になります。


さらに、正規メンバーと研究生を区別する場合、[条件14-6]は妥当な順位だが、[条件14-7]はあり得ない順位になると説明しました。

[条件14-6]○○○○○○⑦●●●●●●●
[条件14-7]●○❸○●○●○●○●○●○

しかし、上記の2つの条件は、いずれも、「⑦」カード1枚・「○」カード6枚・「●」カード7枚と、「❸」カード1枚・「●」カード6枚・「○」カード7枚からなる条件なので、確率の値は、いすれも同じ値になります。


○石の個数と●石の個数が同じとき、○石と●石について同じ条件の確率は、いすれも同じ値になります。平山氏が妥当だと考えている順位が起こる確率が、あり得ないと考えている順位が起こる確率より高くなることは、あり得ません。

ということは、○石の個数と●石の個数が同じとき、ベスト14の順位が●○❸○●○●○●○●○●○となる確率が極端に低いことを理由にして、不正があったことがほぼ確実と判断することは、できないことになります。


以下の記事に続きます。
AKBリクアワ2018の結果と場合の数と確率(15) - 丿乀庵【へつぽつあん】

AKBリクアワ2018の結果と場合の数と確率(13)

≪○石の個数=●石の個数のときの確率の計算(2)≫

今回は、すべての順位に「○」カード・「●」カードのいずれかが指定されている条件について、1枚の「○」カードを、番号もあわせて指定する「⑦」カードにおきかえた条件と、1枚の「●」カードを、番号もあわせて指定する「❸」カードにおきかえた条件を満たす確率を求めて比較してみます。


≪1~6位が「○」で、7位が「⑦」/1~6位が「●」で、7位が「❸」≫

ランキング順位が以下の結果になる確率はどちも同じです。

[条件13-1] ○○○○○○⑦●●●●●●●
[条件13-2] ●●●●●●❸○○○○○○○

[計算式]
どちらも同じ以下の式になります。


\frac{\color{green}{6}}{14} \times
\frac{\color{green}{5}}{13} \times
\frac{\color{green}{4}}{12} \times
\frac{\color{green}{3}}{11} \times
\frac{\color{green}{2}}{10} \times
\frac{\color{green}{1}}{9} \times
\frac{\color{red}{1}}{8}
 \ \ \ \ \ \ ⏩

⏩\ \ \ \ \ \ \ \ \times
\frac{7}{7} \times
\frac{6}{6} \times
\frac{5}{5} \times
\frac{4}{4} \times
\frac{3}{3} \times
\frac{2}{2} \times
\frac{1}{1}
\\\


≪3位を除く奇数位が「○」で、3位が「⑦」/3位を除く奇数位が「●」で、3位が「❸」≫

ランキング順位が以下の結果になる確率はどちも同じです。

[条件13-3] ○●⑦●○●○●○●○●○●
[条件13-4] ●○❸○●○●○●○●○●○

[計算式]
どちらも同じ以下の式になります。


\frac{\color{green}{6}}{14} \times
\frac{7}{13} \times
\frac{\color{red}{1}}{12} \times
\frac{6}{11} \times
\frac{\color{green}{5}}{10} \times
\frac{5}{9} \times
\frac{\color{green}{4}}{8}
 \ \ \ \ \ \ ⏩

⏩\ \ \ \ \ \ \ \ \times
\frac{4}{7} \times
\frac{\color{green}{3}}{6} \times
\frac{3}{5} \times
\frac{\color{green}{2}}{4} \times
\frac{2}{3} \times
\frac{\color{green}{1}}{2} \times
\frac{1}{1}
\\\


≪5~8位・12~13位が「○」で、14位が「⑦」/5~8位・12~14位が「●」で、14位が「❸」≫

ランキング順位が以下の結果になる確率はどちも同じです。

[条件13-5] ●●●●○○○○●●●○○⑦
[条件13-6] ○○○○●●●●○○○●●❸


[計算式]
どちらも同じ以下の式になります。


\frac{7}{14} \times
\frac{6}{13} \times
\frac{5}{12} \times
\frac{4}{11} \times
\frac{\color{green}{6}}{10} \times
\frac{\color{green}{5}}{9} \times
\frac{\color{green}{4}}{8}
 \ \ \ \ \ \ ⏩

⏩\ \ \ \ \ \ \ \ \times
\frac{\color{green}{3}}{7} \times
\frac{3}{6} \times
\frac{2}{5} \times
\frac{1}{4} \times
\frac{\color{green}{2}}{3} \times
\frac{\color{green}{1}}{2} \times
\frac{\color{red}{1}}{1}
\\\


≪[条件13-1]~[条件13-6]の計算式と計算結果≫

[条件13-1]~[条件13-6]の計算式は、分数の計算を一つの分数でまとめて行う形に変形して、分子の掛け算の順番を入れ替えると同じ式になります。掛け算は交換法則が成立するので、掛ける順番を入れ替えても計算結果は変わりません。

計算式と計算結果は以下の通りです。

 
\frac{
\color{red}{1} \times
\color{green}{6} \times
\color{green}{5} \times
\color{green}{4} \times
\color{green}{3} \times
\color{green}{2} \times
\color{green}{1} \times
7 \times
6 \times
5 \times
4 \times
3 \times
2 \times
1
}{
14 \times 13 \times 12 \times
11 \times 10 \times 9 \times
8 \times 7 \times 6 \times 
5 \times 4 \times 3 \times
2 \times 1
}\\\
 = \frac{3,628,800}{87,178,291,200}\\\
 = \frac{1}{24,024}
 ≒ 0.0000416 \cdots ≒ 0.00416\ \%

掛け算は交換法則が成立するので、分子の計算で掛ける順番を入れ替えても計算結果は変わらないということは、ベスト14で、「⑦」1個・「○」6個・「●」7個からなる条件になる確率と、「❸」1個・「●」6個・「○」7個からなる条件になる確率は、それぞれ条件を示す記号がどんな順番で並んでいるかに関係なく、全て同じになることを意味をしています。

下図のように⑦石・○石・●石を入れる一列に並んだ各順位の小箱の位置はそのままで、⑦石を入れる小箱・○石を入れる小箱・●石を入れる小箱が上下にずれた状態で置かれていると考えると、⑦石・○石・●石がどんな順番で並んでいたとしとても、 
\color{red}{1} \times
\color{green}{6} \times
\color{green}{5} \times
\color{green}{4} \times
\color{green}{3} \times
\color{green}{2} \times
\color{green}{1} \times
7 \times
6 \times
5 \times
4 \times
3 \times
2 \times
1
\ 通りになることがわかりやすいと思います。

[条件1-1]
______⑦______
○○○○○○________
_______●●●●●●●

[条件1-3]
___⑦_________
_○___○_○_○_○_○
●_●_●_●_●_●_●_

[条件1-5]
_____________⑦
____○○○○___○○_
●●●●____●●●___


以下の記事に続きます。
AKBリクアワ2018の結果と場合の数と確率(14)

AKBリクアワ2018の結果と場合の数と確率(12)

≪○石の個数=●石の個数のときの確率の計算(1)≫ 

今回は、すべての順位に「○」カード・「●」カードのいずれかが指定されている条件を満たす確率を求めて比較してみます。


≪1~7位が「○」/1~7位が「●」≫

○石の個数=●石の個数のとき、14個の石を一列に列べるときの結果が以下の条件を満たす確率はどちも同じです。
 
[条件12-1] ○○○○○○○●●●●●●●
[条件12-2] ●●●●●●●○○○○○○○

[計算式]
どちらも同じ以下の式になります。


\frac{\color{green}{7}}{14} \times
\frac{\color{green}{6}}{13} \times
\frac{\color{green}{5}}{12} \times
\frac{\color{green}{4}}{11} \times
\frac{\color{green}{3}}{10} \times
\frac{\color{green}{2}}{9} \times
\frac{\color{green}{1}}{8}
 \ \ \ \ \ \ ⏩

⏩\ \ \ \ \ \ \ \ \times
\frac{7}{7} \times
\frac{6}{6} \times
\frac{5}{5} \times
\frac{4}{4} \times
\frac{3}{3} \times
\frac{2}{2} \times
\frac{1}{1}
\\\


≪1~4位・9~11位が「○」/1~4位・9~11位が「●」≫

○石の個数=●石の個数のとき、14個の石を一列に列べるときの結果が以下の条件を満たす確率はどちも同じです。

[条件12-3] ○○○○●●●●○○○●●●
[条件12-4] ●●●●○○○○●●●○○○

[計算式]
どちらも同じ以下の式になります。


\frac{\color{green}{7}}{14} \times
\frac{\color{green}{6}}{13} \times
\frac{\color{green}{5}}{12} \times
\frac{\color{green}{4}}{11} \times
\frac{7}{10} \times
\frac{6}{9} \times
\frac{5}{8}
 \ \ \ \ \ \ ⏩

⏩\ \ \ \ \ \ \ \ \times
\frac{4}{7} \times
\frac{\color{green}{3}}{6} \times
\frac{\color{green}{2}}{5} \times
\frac{\color{green}{1}}{4} \times
\frac{3}{3} \times
\frac{2}{2} \times
\frac{1}{1}
\\\


≪奇数位が「○」/奇数位が「●」≫

○石の個数=●石の個数のとき、14個の石を一列に列べるときの結果が以下の条件を満たす確率はどちも同じです。

[条件12-5] ○●○●○●○●○●○●○●
[条件12-6] ●○●○●○●○●○●○●○

[計算式]
どちらも同じ以下の式になります。


\frac{\color{green}{7}}{14} \times
\frac{7}{13} \times
\frac{\color{green}{6}}{12} \times
\frac{6}{11} \times
\frac{\color{green}{5}}{10} \times
\frac{5}{9} \times
\frac{\color{green}{4}}{8}
 \ \ \ \ \ \ ⏩

⏩\ \ \ \ \ \ \ \ \times
\frac{4}{7} \times
\frac{\color{green}{3}}{6} \times
\frac{3}{5} \times
\frac{\color{green}{2}}{4} \times
\frac{2}{3} \times
\frac{\color{green}{1}}{2} \times
\frac{1}{1}
\\\


≪[条件12-1]~[条件12-6]の計算式と計算結果≫

[条件12-1]~[条件12-6]の計算式は、分数の計算を1つの分数でまとめて行う形に変形して、分子の掛け算の順番を入れ替えると同じ式になります。掛け算は交換法則が成立するので、掛ける順番を入れ替えても計算結果は変わりません。

計算式と計算結果は以下の通りです。

 
\frac{
\color{green}{7} \times
\color{green}{6} \times
\color{green}{5} \times
\color{green}{4} \times
\color{green}{3} \times
\color{green}{2} \times
\color{green}{1} \times
7 \times
6 \times
5 \times
4 \times
3 \times
2 \times
1
}{
14 \times 13 \times 12 \times
11 \times 10 \times 9 \times
8 \times 7 \times 6 \times 
5 \times 4 \times 3 \times
2 \times 1
}\\\
 = \frac{25,401,600}{87,178,291,200}\\\
 = \frac{1}{3,432}
 ≒ 0.000291 \cdots ≒ 0.0291\ \%

掛け算は交換法則が成立するので、分子の計算で掛ける順番を入れ替えても計算結果は変わらないということは、14個の石を一列に列べるときに、「○」カード7枚・「●」カード7枚からなる条件を満たす確率は、「○」カードと「●」カードがどんな順番で並んでいる条件なのかに関係なく、全て同じになることを意味をしています。

14個の石を一列に列べるときの結果で、下図のように○石と●石を入れる一列に並んだ各順位の小箱の位置はそのままで、○石を入れる小箱と、●石を入れる小箱が上下にずれた状態で置かれていると考えると、○石と●石がどんな順番で並んでいたとしとても、いすれの石の並べ方も  
\color{green}{7} \times
\color{green}{6} \times
\color{green}{5} \times
\color{green}{4} \times
\color{green}{3} \times
\color{green}{2} \times
\color{green}{1} \times
7×6×5×4×3×2×1 通りになることがわかりやすいと思います。

[条件12-1を満たす結果]
○○○○○○○______
______●●●●●●●

[条件12-3を満たす結果]
○○○○____○○○___
____●●●●___●●●

[条件12-5を満たす結果]
○_○_○_○_○_○_○_
_●_●_●_●_●_●_●


以下の記事に続きます。
AKBリクアワ2018の結果と場合の数と確率(13) - 丿乀庵【へつぽつあん】

AKBリクアワ2018の結果と場合の数と確率(11) 

≪平山氏の記事の疑問点(6)≫

○石7個・●石7個の合計14個の石を一列に並べるときに、●石(NGTの曲)が特定の条件を満たす確率だけを求めて、○石(NGT以外の曲)が同じ条件を満たす確率を求めていないのは何故か?


≪比較による分析≫

平山氏の記事では、NGTの曲とNGT以外の曲にみたてた2色の石を使っているのに、●石(NGTの曲)がある条件を満たす確率だけを求めて、その確率が極端に低いことを理由に、不正があったことがほぼ確実としています。

しかし、○石(NGT以外の曲)が同じ条件を満たす確率も●石(NGTの曲)と同様に極端に低い可能性もあります。

●石(NGTの曲)と○石(NGT以外の曲)で同じ条件の順位になる確率を比較してみないと、●石(NGTの曲)が特定の順位になる可能性が低いと判断することはできないと思います。

平山氏は●石と○石の個数を同じにしているので、実際に計算するまでもなく比較結果は明らかです。●石と○石の個数が同じ場合、どんな条件の確率を求めるかに関係なく、●石(NGTの曲)と○石(NGT以外の曲)で同じ条件の順位になる確率は同じになります。

なぜ、計算するまでもなく明らかなのかというと、石を一列に並べるときの場合の数の計算には石の個数しか使わないからです。●石か○石かという色の違い・1位か14位かという順位の違い・❷か❸かという番号の違い、などで場合の数が変わることはありません。


≪条件と結果の違い≫(2021.12.14修正)

実際に確率の計算をする前に、条件と結果の違いについて説明しておきます。

本カテゴリー記事の確率をもとめる手順では、平山氏の記事と違って全ての石に番号がついているため、条件と結果を混同しないように注意する必要があります。

条件と結果の例を以下に示します。

[条件11-1]
●○●○●○●○●○●○●○

[条件11-1を満たす結果の例]
❶①❷②❸③❹④❺⑤❻⑥❼⑦
❶①❷②❸③❹④❺⑤❻⑦❼⑥
❼⑦❻⑥❺⑤❹④❸③❷①❶②
❼⑦❻⑥❺⑤❹④❸③❷②❶①


[条件11-2]
●○❸○●○●○●○●○●○

[条件11-2を満たす結果の例]
❶①❸②❷③❹④❺⑤❻⑥❼⑦
❶①❸②❷③❹④❺⑤❻⑦❼⑥
❼⑦❸⑥❻⑤❺④❹③❷①❶②
❼⑦❸⑥❻⑤❺④❹③❷②❶①


本カテゴリー記事では、結果の個数(場合の数)を求めるときに、複数の条件についての結果の個数(場合の数)を合計して求めることがあります。

その際、条件の個数と、結果の個数(場合の数)は、計算の対象となる個数も、計算方法も違うことに注意が必要です。

本記事では、結果の個数を求める手順や計算方法と混同しないようにするために、条件を求める手順については結果を求める手順とは異なる以下の手順で説明します。

「○」・「●」・「❸」などの条件記号が書かれた1な4枚のカードを、紙の上に書かれている一列に並んだ14個のマス目の上に、ダブりなくモレなく1枚づつ置いて一列に並べる。

ダブリなくとは、1個のマス目に置けるカードは1枚だけで、複数枚のカードは置けないことを意味する。

モレなくとは、14個の全てのマス目に1枚づつカードを置くことを意味する。モレなくカードを置くと、ガードが置かれていないマス目(以下、空きマス)が1個もない状態になる。

14個の石を一列に並べるときに、ダブりなくモレなく14個の小箱に一個づつ石を入れるため、条件を指定するときも、14枚のカードをダブりなくモレなく14個のマス目に1枚づつ置く必要がある。

紙の上に置く14枚の条件記号のカードの組合せは、条件によって変えることができる。しかし、実際に起こる可能性がある結果を表す組合せに限られる。

たとえば、○石7個・●石7個で合計14個の石を一列に並べるときの条件で、「○」カード7枚・「●」カード7枚の組合せは使えるが、「○」カード8枚・「●」カード6枚の組合せは使えない。

ランキング順位と対応づけるために、1つ1つのマス目は左から順に、1位のマス目、2位のマス目、3位のマス目、……14位のマス目、とよぶことにします。


次回以降、平山氏の記事に書かれている計算方法で、実際にいくつかの条件で確率を計算して比較してみたいと思います。


以下の記事に続きます。
AKBリクアワ2018の結果と場合の数と確率(12) - 丿乀庵【へつぽつあん】

AKBリクアワ2018の結果と場合の数と確率(10)

≪平山氏の記事の疑問点(5)≫

AKBリクアワ2018は全部で 1,078曲を対象にしたランキングなのに、ベスト14だけを対象にして確率を求めて、その結果をもとに不正があったと判断しているのは、なぜなのか。


≪ランキングの対象曲数の違い≫

 1,078曲を対象にしたランキング結果の中で、ベスト14の結果がどうなるかを確率を使って調べるときに、いろいろな方法があります。以下に2つだけあげておきます。

  • ベスト14だけを対象にして、ベスト14が特定の条件になる確率を調べる。
  • 15位以降の曲はどういう並び順になっていても構わないという前提で、 1,078曲を対象にしてベスト14が特定の条件になる確率を調べる。

ベスト14だけを対象にしたときよりも、 1,078曲を対象にしたときのほうが、全ての場合の数と求める場合の数が大きくなることに注意が必要です。ベスト14が14個の数字の掛け算なのに対して、 1,078曲を対象にしたときは  1,078個の数字の掛け算になります。

分数の値を比較するときに、分子の数が同じときは、分母の数が大きいほうが分数の値が小さくなります。(例: \frac{2}{5}<\frac{2}{4}<\frac{2}{3}

そのため、同じような条件でも、曲数が多い  1,078曲を対象にした確率の値のほうが小さくなる可能性があることに注意が必要です。(曲数が多いほうが確率の値が大きくなることもあります)

また、 1,078曲を対象にしたときは、○石・●石の両方とも14個以上あるので、ベスト14で14個全て○石になる[条件10-1]や、14個全て●石になる[条件10-2]を満たす確率を計算できます。

[条件10-1]○○○○○○○○○○○○○○
[条件10-2]●●●●●●●●●●●●●●

[条件10-1]や[条件10-2]を満たす確率は、ベスト14で、●○❸○●○●○●○●○●○となる確率について考えるときに、比較対象として使うことができる値ですが、○石7個・●石7個を対象にしたときは、その確率を求めることができません。

 1,078曲を対象にすると、場合の数が大きくなりすぎる一方で、確率の値が小さくなりすぎます。その結果、場合の数と確率のどちらの値も指数形式の概算値(例: \ 3.415×10^{19})で求めることになるという問題があります。

そういった問題があることを考えると、平山氏がベスト14だけを対象にして確率を計算されたのも、しかたがないのかなという気がします。

ただ、同じような条件でも、ベスト14だけを対象にしたときよりも、 1,078曲を対象にした時の方が確率の値が小さくなる可能性があることに注意が必要です。


以下の記事に続きます。
AKBリクアワ2018の結果と場合の数と確率(11) - 丿乀庵【へつぽつあん】

AKBリクアワ2018の結果と場合の数と確率(9)

≪平山氏の記事の疑問点(4)≫

AKBリクアワ2018の対象グループは7グループなのに、○石と●石の2グループで確率を求めているのはなぜか。


≪グループ数の違いについて≫

○石と●石の2グループで確率を求めていることに関しては、とくに問題ないと思います。

もしも、1位になる確率が高いのはどのグループかということを求めるのであれば、7色の石を使ってグループごとに確率を求める必要があると思います。

しかし、NGTの曲がランキング上位にランクインする確率を求めるときは、仮に他の6グループの曲数がわかっている場合でも、6グループの曲数を合計してNGT以外の曲数としたほうが計算しやすいと思います。

例えば、奇数位がNGTの曲、偶数位がNGT以外の曲という条件は、2グループだったら以下の1個の条件を満たす確率を考えるだけですみます。
 
[条9-1]●○●○●○●○●○●○●○


しかし、同じ条件を7グループで考えるとどうなるでしょうか。NGTの曲を「(N)」、NGT以外のグループの曲を「(A)」~「(F)」で表すことにすると、偶数位の各順位ごとに「(A)」~「(F)」の6通りについて考える必要があります。

その結果、対象となる条件の個数は、以下の考え方にもとづいて、 6×6×6×6×6×6×6=279,936個になります。

  • 2位の「(A)」~「(F)」の6個それぞれについて4位は「(A)」~「(F)」の6個
  • 2位・4位の「(A)・(A)」~「(F)・(F)」の 6×6個それぞれについて6位は「(A)」~「(F)」の6個
  • 2位・4位・6位の「(A)・(A)・(A)」~「(F)・(F)・(F)」の 6×6×6個それぞれについて8位は「(A)」~「(F)」の6個

   :

  • 2位・4位・6位・8位・10位・12位の「(A)・(A)・(A)・(A)・(A)・(A)」~「(F)・(F)・(F)・(F)・(F)・(F)」の 6×6×6×6×6×6個それぞれについて14位は「(A)」~「(F)」の6個

2グループのときの[条件9-1]●○●○●○●○●○●○●○を満たす確率と同じ確率を、7グループで求めるためには、 279,936個の条件を満たす確率を1つ1つ求めて、全て合計する必要があります。

表計算ソフトや関数電卓を使うとしても、 279,936個の確率を計算して合計するのは現実的に難しい感じがします。

そんな手間のかかる計算をするよりも、6グループの曲数を合計してひとまとめにして、○石と●石の2グループにしたほうが、手間をかけずに簡単に計算できます。


以下の記事に続きます。
AKBリクアワ2018の結果と場合の数と確率(10) - 丿乀庵【へつぽつあん】

AKBリクアワ2018の結果と場合の数と確率(8)

≪ベスト14のランキング結果が特定の条件を満たす確率の計算方法≫(2021.12.16修正)

平山氏の記事に書かれている、ベスト14のランキング順位が●○❸○●○●○○●○●○になる確率を求める計算手順は以下のようになります。

袋の中にある14個の石を、14個の小箱に1個づつ順番に入れると考えて、1位が❸を除いた●石になる確率、2位が○石になる確率、3位が❸石になる確率…と順番に14位まで、一つづつ計算して、最後に14個の確率を全て掛ける。

各順位の確率の計算順番をランキング順にすると、確率の計算順番と、各順位の小箱に入る可能性がある石の個数の計算順番が異なることに注意する必要があります。本記事では、算式の分子の数に色をつけて、●○❸○●○●○●○●○●のような条件で示されている石の並びと計算式の数字との対応関係がわかるようにします。

実際に確率を計算するときは、袋の中の石を1個づつ小箱にいれるたびに、袋の中の残りの石の個数(今入れようとしている順位の小箱に入る可能性がある石の個数)が1個づつ減っていくことに注意する必要があります。

確率の分母の数(全ての場合の数)は袋の中の●石と○石の合計個数です。袋の中の石を1個づつ小箱にいれるたびに、袋の中の残りの合計個数は1個づつ減っていくため、1位~14位の分母の数は、14から始まって1づつ減っていきます。

確率の分子の数(求める場合の数)は3種類に別れます。順位が固定されている❸の石と、❸の石を除いた6個の●石、7個の○石です。

3位は❸と決まっています。3位の小箱に入るに可能性がある石の個数は1個なので、分子は1です。

❸の石を除いた6個の●石は、小箱に1個入れるごとに、袋の中の●石が1個づつ減っていくため、各順位の小箱に入る可能性がある石の個数も1個づつ減っていきます。したがって1位、5位、7位、9位、11位、13位の分子は、6から始まって1づつ減っていきます。

7個の○石は、小箱に1個入れるごとに、袋の中の○石が1個づつ減ってくため、各順位の小箱に入る可能性がある石の個数も1個づつ減っていきます。したがって、2位、4位、6位、8位、10位、12位、14位の分子は、7から始まって1づつ減っていきます。

平山氏の記事の計算式で各順位ごとの確率を全て掛け合わせる、掛け算で計算しているのは、以下のような考え方で、分子の場合の数を1位~14位まで順に計算するためです。

  • 1位になる可能性がある6個の石それぞれについて、2位になる可能性がある石が7個ある。 \ \\\
  • 1位・2位になる可能性がある 6×7通りの石の並べ方それぞれについて、3位になる可能性がある石が1個ある。 \ \\\
  • 1位・2位・3位になる可能性がある 6×7×1通りの石の並べ方それぞれについて、4位になる可能性がある石が6個ある。

(以降、14位まで同様の計算を繰り返す)


≪確率の計算結果≫

ベスト14が●○❸○●○●○●○●○●○になる確率の条件と計算式・計算結果は、以下のようになります。

[条件]●○❸○●○●○●○●○●○

[計算式・計算結果]

\frac{\color{green}{6}}{14} \times
\frac{7}{13} \times
\frac{\color{red}{1}}{12} \times
\frac{6}{11} \times
\frac{\color{green}{5}}{10} \times
\frac{5}{9} \times
\frac{\color{green}{4}}{8} 
 \ \ \ \ \ \ ⏩

⏩\ \ \ \ \ \ \ \ \times
\frac{4}{7} \times
\frac{\color{green}{3}}{6} \times
\frac{3}{5} \times
\frac{\color{green}{2}}{4} \times
\frac{2}{3} \times
\frac{\color{green}{1}}{2} \times
\frac{1}{1}
\\\

 =
\frac{
\color{green}{6} \times
7 \times
\color{red}{1} \times
6 \times
\color{green}{5} \times
5 \times
\color{green}{4} \times
4 \times
\color{green}{3} \times
3 \times
\color{green}{2} \times
2 \times
\color{green}{1} \times
1
}{
14 \times 13 \times 12 \times
11 \times 10 \times 9 \times
8 \times 7 \times 6 \times 
5 \times 4 \times 3 \times
2 \times 1
}\\\
 = \frac{3,628,800}{87,178,291,200}\\\
 = \frac{1}{24,024} ≒ \frac{1}{24,000}
 ≒ 0.0000416 \cdots ≒ 0.00416\ \%

確率の値の分母の数は全ての場合の数です。14個の石を一列に並べるときの並べ方は、全部で約870億通りあることがわかります。

確率の値の分子の数は求める場合の数です。条件を満たす場合の数は約360万通りあることがわかります。360万という数は一般的にはかなり大きな数ですが、分母がさらに大きな数なので百分率にすると 1\ \%未満になっています。


以下の記事に続きます。
AKBリクアワ2018の結果と場合の数と確率(9) - 丿乀庵【へつぽつあん】