丿乀庵【へつぽつあん】

へっぽこプログラマーの覚え書き

AKBリクアワ2018の結果と場合の数と確率(7)

≪平山氏の記事の疑問点(3)≫

「NGTの曲が研究生の曲も含めてベスト14に7曲入ることを前提としても、作為性がない場合、NGTの曲が奇数順位だけに入り、研究生の曲が3位になる確率は、手触りに差のない●石6個、❸石1個と○石7個を混ぜ合わせ、目隠しして一列に並べ、●○❸○●○●○●○●○●○となる確率で、
(6/14)×(7/13)×(1/12)×(6/11)×(5/10)×(5/9)×(4/8)×(4/7)×(3/6)×(3/5) ×(2/4)×(2/3)×(1/2)×(1/1)=3,628,800÷87,178,291,200=0.0000416250416」と書かれているが、この式には、どういう意味があるのか。


≪場合の数を使う確率の計算方法と確率の値≫

場合の数を使う確率の値は、ある出来事の起こりやすさを、起こる可能性がある全ての結果の個数に対する、確率を求めたい出来事が起こる結果の個数の割合で求めます。

これ以降、起こる可能性がある全ての結果の個数のことを「全ての場合の数」、確率を求めたい出来事が起こる結果の個数を「求める場合の数」、起こる可能性がある一つ一つの結果のことを「根元事象」とよぶことにします。場合の数を数えるときの単位は「通り」です。

本記事では、求める場合の数を、求める結果が起こるという条件を満たす場合の数と考えます。平山氏の記事に書かれている「●○❸○●○●○●○●○●○」という表記が、ベスト14で求める確率を計算するための条件になります。

場合の数を使う確率の計算方法は以下のとおりです。

 ある出来事が起こる確率 = \frac{(求める場合の数)}{(全ての場合の数)}

一般的に上記の分数を約分して既約分数にしたものを確率の値とします。

確率の値を小数で表すときは、(求める場合の数) \ \div\ (全ての場合の数)を計算します。確率の値は全体を \ 1\ としたときの割合なので、 100倍すると百分率( \%)の値になります。

同じ値でもいろいろな表現方法があります。本記事では、確率の値を求めるときに、(分数)=(既約分数)=(小数)=(百分率( %)と複数の表現方法を併記する形で求めます。


≪14個の石を並べる手順≫(2021.12.14修正)

平山氏の記事では、AKBリクアワ2018のランキング結果の上位14曲の順位が起こる確率を、NGT以外の曲にみたてた○石7個、NGTの曲にみたてた●石7個、の合計14個の石を無作為に一列に列べたときに特定の条件を満たす並び順が起こる確率に置き換えて考えています。

本記事では、AKBリクアワ2018のランキング結果の上位14曲の順位が起こる確率を、以下の手順で14個の石を一列に並べるときに特定の条件を満たす並び順が起こる確率に置き換えて考えます。

袋の中に入っている、1~7の番号がついた○石7個(①②③④⑤⑥⑦)、1~7の番号がついた●石7個(❶❷❸❹❺❻❼)、合計14個の石を1個づつ取り出して、一列に並んでいる14個の小箱の中に、ダブリなく、モレなく、取り出した石を1個づつ入れる。

ダブリなくとは、1個の小箱に入れる石は1個だけで、複数個の石は入れないことを意味する。

モレなくとは、14個の全ての小箱に1個づつ石を入れることを意味する。モレなく石を入れると、空き箱になっている小箱がなくて、袋の中に石が1個も残っていない状態になる。

場合の数の数えかたを考えやすくするために、平山氏の考え方を参考にして、上記の手順で14個の石を一列に並べるときの結果で、特定の条件を満たす並べ方が起こる確率を計算します。

ランキング順位と対応づけるために、一つ一つの小箱は左から順に、1位の小箱、2位の小箱、3位の小箱、……14位の小箱、とよぶことにします。


【参考にしたサイト】

確率の定義「場合の数」とは何か:結果の個数である | 趣味の大学数学
https://math-fun.net/20210528/14316/


以下の記事に続きます。
AKBリクアワ2018の結果と場合の数と確率(8) - 丿乀庵【へつぽつあん】

AKBリクアワ2018の結果と場合の数と確率(6)

≪平山氏の記事の疑問点(2)≫

平山氏の記事には、実人気を考慮すると、正当な投票で研究生の曲以外のNGTの曲がベスト14に6曲以上入る可能性はほぼ皆無NGT研究生の曲が3位以内になる可能性もほぼ皆無であると書かれている。


≪平山氏が考える妥当な順位と、あり得ない順位≫

AKBリクアワ2018のベスト14の結果で、平山氏が妥当だと思っていると順位と、現実的にありえないと思っている順位について考えてみたいと思います。

条件に出てくる記号の意味は以下の通りです。
「○」:NGT以外の曲(研究生の曲を含む)
「●」:NGTの曲(研究生の曲を含む)
「⑦」:AKB研究生の曲
「❸」:NGT研究生の曲


平山氏が考えるベスト14のランキング順位の結果で、一番妥当なのは以下の[条件6-1]の順位で、一番あり得ないのは以下の[条件6-2]の順位ということになりそうです。

[条件6-1]○○○○○○○●●●●●●●
[条件6-2]●●●●●●●○○○○○○○


また、NGTの曲とNGT研究生の曲を区別する場合、「❸」がNGT研究生の曲を表すとすると、一番妥当なのは以下の[条件6-3]の順位、一番あり得ないのは[条件6-5]の順位、[条件6-4]はその中間と考えていることになりそうです。

[条件6-3]○○○○○○○●●●●●●❸
[条件6-4]●○❸○●○●○●○●○●○
[条件6-5]❸●●●●●●○○○○○○○


さらに、正規メンバーと研究生を区別する場合、「⑦」がAKB研究生の曲・「❸」がNGT研究生の曲を表すとすると、一番妥当なのは以下の[条件6-6]の順位、[条件6-7]の順位はあり得ない、と考えていることになりそうです。

[条件6-6]○○○○○○⑦●●●●●●●
[条件6-7]●○❸○●○●○●○●○●○


≪実人気と人気投票の違い≫(2021.12.29修正)


平山氏は、AKBリクアワ2018のランキング順位は、全国的な知名度の高さやCDの売上枚数の多さに近いものになるはずだと考えのもとに、上記のような妥当な順位と、ありえない順位を判断されているようです。

しかし、AKBリクアワ2018のランキング順位が、全国的な知名度の高さや、CDの売上枚数の多さに近いものになる理由については記事に何も書かれていません。

AKBリクアワ2018は、1人のファンが何票でも投票できます。

AKBグループの各グループのファンが、全員、自分が応援しているグループの曲に、同じ票数だけ投票すれば、AKBリクアワ2018の結果は、全国的な知名度の高さに近いものになりそうです。

AKBグループの各グループのファンが、全員、自分が購入したCDの曲に、CDの購入枚数と同じ票数を投票すれば、AKBリクアワ2018の結果は、CDの売上枚数の多さに近いものになりそうです。

しかし、全員が同じ票数だけ投票したり、全員がCDの購入枚数と同じ票数を投票したりすることは、現実的にありえないと思います。世の中の出来事にはバラツキや偏り(かたより)があるのがふつうだからです。

また、AKBリクアワは、楽曲の人気投票であると同時に、自分が応援しているグループにトップになってもらいたいと思っているAKBグループの各グループのファンどうしの競争という一面もあると思います。

NGTは他のグループに比べて、グループ結成後の活動期間が短いこともあり、メンバー1人1人の全国的な知名度が低い、CD売上枚数が少ない、ファンの人数が少ない、という印象があります。

そういうグループを応援しているファンが、自分が応援しているグループに、AKBリクアワ2018のようなAKBグループ全体のイベントでトップになってもらたいと思ったら、他のグループのファンよりも多く投票しなければいけないという思いは、かなり強いものになるのではないでしょうか。

AKBリクアワ2018は、投票権を入手すれば1人で何票でも投票できます。入手方法は何通りかあるみたいですが無料ではありません。1人の人間がAKBリクアワ2018のようなイベントに使える金額には限界があるので、1人で何票でも投票できるといっても、無制限に投票できるわけではありません。

また、AKBグループには、1年の間に、ファンに多額の金額を使わせるイベントがAKBリクアワ2018以外にもいくつもあります。その一方で、1人の人間が1年の間にAKBグループのイベントに使える金額には限界があります。となると、1年の間のどのイベントに一番おカネを使うかというイベントごとのお金のかけ具合は人によって違うはずです。

AKBグループのイベントの中でも一大イベントで競争が激しくメンバー1人1人の全国的な知名度に左右される総選挙よりも、楽曲が対象で総選挙よりもトップを狙いやすい感じがするリクアワに一番おカネをかけよう。そう考えるNGTのファンがいても不思議はない気がします。

2018年当時、AKBグループのファンではない筆者は、総選挙のことは知っていても、リクアワのことは知りませんでした。もしも、総選挙同様にファンの間での競争が厳しくて多くの票が投票されていたのであれば、リクアワの知名度はもっと高かったような気がします。

リクアワの総投票数(全対象曲の投票数の合計)は公表されていないようですが、総選挙の総投票数(全立候補メンバーの投票数の合計)より1桁少ない数(総選挙の総投票数の \frac{1}{10})なのではないかという気がします。

リクアワの総投票数が総選挙に比べて少ないのであれば、NGTのファンが他のグループのファンより多く投票するために必要な金額も少なくて済むことになります。

その結果、もしも、総選挙・リクアワ・その他のイベントに使うお金の割合が、NGT以外のグループのファンが60%・30%・10%なのに対して、NGTのファンが30%・60%・10%になっていたとしたら、NGTの曲がランキング上位に多数ランクインしていても不思議はない気がします。

もしも、実人気を何らかの計算式で数値化して順位づけすることができたとしても、実人気の順位と、AKBリクアワ2018のランキング順位が近いものになるとは限らないと思います。


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AKBリクアワ2018の結果と場合の数と確率(7) - 丿乀庵【へつぽつあん】

AKBリクアワ2018の結果と場合の数と確率(5)

≪平山氏の記事の疑問点(1)≫

平山氏の記事では、以下の2点を理由に、AKBリクアワ2018のベスト14は捏造順位であることがほぼ確実と判断しているが、その考え方に問題はないのか。

  • ランキング結果のベスト14で、1位、5位、7位、9位、11位、13位がNGTの曲、3位がNGT研究生の曲になる確率(場合の数を使う確率)が極端に低い。
  • 実人気を考慮すると、正当な投票で研究生の曲以外のNGTの曲がベスト14に6曲以上入る可能性はほぼ皆無NGT研究生の曲が3位以内になる可能性もほぼ皆無である。


≪現実と計算結果の違い≫

AKBリクアワ2018の結果に限らず、世の中の出来事の結果や、その結果の起こりやすさを、計算で求めて判断することはよくあると思います。

そのときに注意しなければいけないことがあります。それは、世の中の出来事の結果や、その結果の起こりやすさには、バラツキや偏り(かたより)があるということです。なぜ、そうなるかというと、原因となる出来事にバラツキや偏り(かたより)があるからです。

バラツキや偏りがあるからこそ、ある出来事の起こりやすさを求めるために確率の計算をするわけです。

しかし、場合の数を使う確率では、結果の起こりやすさにはバラツキがありません。結果の起こりやすさは「同様に確からしい」ことが前提になっているからです。

「同様に確からしい」とは、どういうことかというと、起こる可能性がある結果が起こる確率は全て同じになるということです。起こる可能性がある結果の個数が100個あったら、実際の結果がどんな結果になったとしても、その結果の起こりやすさは \ \frac{1}{100}\ になります。

AKBリクアワ2018のような人気投票ランキングの場合、ランキング結果がどのような結果になったとしても、結果の起こりやすさは全て同じであるという前提で考えることになります。

全ての結果が起こる確率が同様に確からしくなることを前提にするので、楽曲の人気投票ランキングの結果の起こりやすさを確率として求めるときは、曲ごとの人気度合いの違いを考慮することができません。全ての曲の人気度合いは同じであるという前提で考えることになります。

平山氏の記事に、「作為性がない場合、NGTの曲が奇数順位だけに入り、研究生の曲が3位になる確率は、手触りに差のない●石6個、❸石1個と○石7個を混ぜ合わせ、目隠しして一列に並べ」と書かれているのは、並べた結果が同様に確からしい結果になるように、石を選んで、並べている、ということをいいたいのだと思われます。

平山氏が、同様に確からしい結果になる確率と、曲によってバラツキがある実人気の違いの、両方を考慮して不正があったかどうかを判断しているのは、間違っていないと思います。

問題だと思うのは以下の点です。

  • 確率を求めるときに、グループごとの曲数の違いを考慮していない。
  • 確率を求めるときに、●石(NGTの曲)が特定の条件を満たす確率の値しか求めていない。
  • AKBリクアワ2018の順位は、実人気の順位に近いものになると考えているようだが、実人気の順位を求める方法が書かれていない。
  • AKBリクアワ2018の順位と実人気の順位が近いものになる理由が書かれていない。


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AKBリクアワ2018の結果と場合の数と確率(6) - 丿乀庵【へつぽつあん】

AKBリクアワ2018の結果と場合の数と確率(4)

≪AKBリクアワ2018≫

平山氏の記事で確率の計算をする対象になっている「AKB48グループリクエストアワーセットリストベスト100 2018」について調べてみました。

AKB48グループリクエストアワー セットリストベスト100 2018 - エケペディア
https://48pedia.org/AKB48%E3%82%B0%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%97%E3%83%AA%E3%82%AF%E3%82%A8%E3%82%B9%E3%83%88%E3%82%A2%E3%83%AF%E3%83%BC_%E3%82%BB%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%99%E3%82%B9%E3%83%88100_2018

上記の記事によると、2018年リクアワの概要は以下のとおりです。

  • 順位はファンの楽曲への投票数で決まる。(CDに封入されている投票権等を使うようです)
  • 対象曲数は1,078曲。(グループごとに曲数は違う)
  • 1,078曲のうち、NGT48の対象楽曲は27曲。(NGT以外の対象楽曲は1,051曲)


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AKBリクアワ2018の結果と場合の数と確率(5) - 丿乀庵【へつぽつあん】

AKBリクアワ2018の結果と場合の数と確率(3)

≪平山氏の記事に対する疑問と自分なりの考察結果≫

複数回にわたる長い記事になるので、平山氏の記事に対する疑問と自分なりの考察結果を先にのべておきます。

平山氏の記事には、14位以内の曲はすべて正当な得票で集計して14位以内だったと仮定しても、起こる確率が \ \frac{1}{24,000}\ より低いランキング結果は、捏造順位である確率は約 \ 99.99\ \% \ でほぼ確実だでと書かれています。

もし、そのとおりだとすると、以下のランキング結果は、すべて捏造順位あることがほぼ確実という、おかしなことになります。

  1. 上位14曲で起こる可能性がある全てのランキング結果。 \ \\
  2. 平山氏が指摘している、上位14曲のうち、1位、3位、5位、7位、9位、11位、13位が●石(NGTの曲)で、なおかつ、3位が特定の曲(NGT研究生「下の名で呼べたのは…」)。 \ \\
  3. 上位14曲のうち、1位~7位が全て○石(NGT以外の曲)で、なおかつ、7位が特定の曲(AKB48 16期研究生「抱きつこうか?」)。


1.について補足します。起こる可能性がある全てのランキング結果がすべて捏造順位であることがほぼ確実になる理由は以下の2つです。

  • 上位14曲のランキング結果が、どういう順位になったとしても、全てのランキング結果が起こる確率(根元事象が起こる確率)は \ \frac{1}{{}_{14}{P}_{14}} =\frac{1}{14!}  \fallingdotseq \frac{1}{87,000,000,000}
  • 上位14曲で起こる可能性がある全てのランキング結果は、起こる確率が \ \frac{1}{24,024}\ のランキング結果が集まってできていると考えることができる。

2.と3.はどちらも起こる確率が同じです。
確率の値は以下のとおりです。
 \ \frac{1 \times {}_{6}{P}_{6} \times {}_{7}{P}_{7} }{{}_{14}{P}_{14}} =\frac{1 \times 6! \times 7!}{14!}
 \ \ \ \ =\frac{3,628,800}{87,178,291,200}
=\frac{1}{24,024}
 \fallingdotseq \frac{1}{24,000}
 \ \ \ \ \fallingdotseq 0.0000416 
\fallingdotseq 0.00416\ \%


なお、実際の投票で、グループごとの曲数・投票数・ファンの人数などにバラツキがあることを考慮したうえで、確率の値を参考にすると、以下の可能性があると思われます。断定する根拠は無いので、あくまで可能性の話です。

  1. 不正をしなくても、票が集中してNGTの複数の曲がランキングの上位にランクインする可能性がある。 \ \\
  2. もしも上記1.が正しくて、上位14位までにNGTの曲が7曲がランクインしていたら、不正をしなくても、1位、3位、5位、7位、9位、11位、13位がNGTの曲になる可能性がある。 \ \\
  3. もしも上記1.が正しくて、不正があったとしたら、上位10位以内にNGTの曲が集中していたため、一部のNGTの曲の順位を11位、13位に下方修正した結果、1位、3位、5位、7位、9位、11位、13位がNGT48の曲になった可能性もある。


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AKBリクアワ2018の結果と場合の数と確率(4) - 丿乀庵【へつぽつあん】

AKBリクアワ2018の結果と場合の数と確率(2)

≪本カテゴリー記事の記号の凡例および用語・公式≫

本カテゴリー記事で利用する記号の凡例および用語・公式について説明します。


≪計算式の折り返し≫

本記事では1つの計算式が長くなるときに途中で折り返して次の行に続きの式を書きます。折り返し位置の前後には「⏩」という記号をつけます。

計算式を途中で折り返している例を以下に示します。


\frac{7}{14} \times
\frac{\color{green}{6}}{13} \times
\frac{6}{12} \times
\frac{\color{green}{5}}{11} \times
\frac{5}{10} \times
\frac{\color{green}{4}}{9} \times
\frac{4}{8} 
 \ \ \ \ \ \ ⏩

⏩\ \ \ \ \ \ \ \ \times
\frac{\color{green}{3}}{7} \times
\frac{3}{6} \times
\frac{\color{green}{2}}{5} \times
\frac{2}{4} \times
\frac{\color{green}{1}}{3} \times
\frac{1}{2} \times
\frac{\color{red}{1}}{1}


≪指数形式の表記≫

場合の数は10桁以上の大きな数になることがあります。また、確率の値は小数点以下10桁以上の小さな数になることがあります。いずれの場合も有効数字3桁の指数形式で表記します。

指数形式で表記すると有効数字以外の数字は無視されるため計算結果は概算値になります。

指数表記の例を以下に示します。

 \frac{3,628,800}{187,178,291,200}
≒  \frac{3,628,800}{1.87×10^{11}}
  0.00000000004163 \cdots ≒ 4.16×10^{-11}


≪確率の条件と計算式≫

確率を求める条件の記号(「❸」・「⑦」・「●」・「○」等)と、確率の計算式の対応関係がわかるるように、計算式の分子の数字に色をつけます。分子の条件の記号が同じ数字には同じ色をつけます。

確率の条件と計算式の例を以下に示します。

[条件] ●○❸○●○●○●○●○●○

[計算式]

\frac{\color{green}{6}}{14} \times
\frac{7}{13} \times
\frac{\color{red}{1}}{12} \times
\frac{6}{11} \times
\frac{\color{green}{5}}{10} \times
\frac{5}{9} \times
\frac{\color{green}{4}}{8} 
 \ \ \ \ \ \ ⏩


⏩\ \ \ \ \ \ \ \ \times
\frac{4}{7} \times
\frac{\color{green}{3}}{6} \times
\frac{3}{5} \times
\frac{\color{green}{2}}{4} \times
\frac{2}{3} \times
\frac{\color{green}{1}}{2} \times
\frac{1}{1}


≪確率の値の表記≫

本記事では、確率の値を求めるときに、(約分前の分数)=(既約分数)=(小数)=(百分率( \ \%)と複数の表現方法を併記する形で求めます。
表現方法が違っているだけで、値はいずれも同じです。

確率の値を求める例を以下に示します。

 \frac{3,628,800}{87,178,291,200}
=  \frac{1}{24,024} ≒ \frac{1}{24,000} \\
\ \ \ \ ≒ 0.0000416 \cdots ≒ 0.00416\ \%


≪順列記号( {}_{n}{P}_{r})の多用≫

本記事では、場合の数を計算する公式や計算式で一般的に階乗記号( n!)を使うべきところでも、順列記号( {}_{n}{P}_{r})を使います。

階乗( n!)が足し算や掛け算と同じように、いろいろな用途で使われる汎用的な計算式なのに対して、順列( {}_{n}{P}_{r})は \ n\ 個の中から \ r\ 個選んで並べるときの場合の数を求めるための専用の計算式です。場合の数を求める計算式では、順列( {}_{n}{P}_{r})を使った方が計算式の意味が明確になるはずだという筆者の個人的なこだわりによるものです。


≪用語・公式の説明≫

「確率」は場合の数を使う数学的確率の意味で使います。場合の数を使わない「経験的確率」等とは、定義や計算方法が異なるなるため、混乱を避けるために、明示的に「場合の数を使う確率」といった書き方をする場合があります。


「順列( {}_{n}{P}_{r})」の公式は以下のものを採用します。順列( {}_{n}{P}_{r})の並べ方の考え方や、分割・結合などの計算をするときの計算内容を、イメージしやすいからです。
 
 {}_{n}{P}_{r}=n×(n-1)×(n-2)×\cdots×(n-(r-1)) \\
\ \ \ \ = \prod_{i=0}^{r-1}(n-i)

順列( {}_{n}{P}_{r})の計算例を以下に示します。

 {}_{6}{P}_{3}=6×5×4


「組合せ( {}_{n}{C}_{r})」の公式は以下のものを採用します。組合せ( {}_{n}{C}_{r})の並べ方の考え方や、分割・結合などの計算をするときの計算内容を、イメージしやすいからです。

 {}_{n}{C}_{r}
=\frac{{}_{n}{P}_{r}}{{}_{r}{P}_{r}}
=\frac{n×(n-1)×(n-2)×\cdots×(n-(r-1))}
{r×(r-1)×(r-2)×\cdots×(r-(r-1))} \\
\ \ \ \ =\frac{\prod_{i=0}^{r-1}(n-i)}
{\prod_{i=0}^{r-1}(r-i)}
 
組合せ( {}_{n}{C}_{r})の計算例を以下に示します。

 {}_{6}{C}_{3}=\frac{6×5×4}{3×2×1}


≪組合せ( {}_{n}{C}_{r})の公式についての補足≫

組合せ( {}_{n}{C}_{r})の公式を総乗記号 \prod(パイ)を使って表すときに、単純に分数の計算式と考えると、
 \frac
{{b}_{0}×{b}_{1}×{b}_{2}× \cdots ×{b}_{n}}
{{a}_{0}×{a}_{1}×{a}_{2}× \cdots ×{a}_{n}}
=\frac{{b}_{0}}{{a}_{0}}×
\frac{{b}_{1}}{{a}_{1}}×
\frac{{b}_{2}}{{a}_{2}}×
\cdots × \frac{{b}_{n}}{{a}_{n}}
となるので、以下のような簡潔な式で表せます。
 \prod_{i=0}^{r-1}(\frac{n-i}{r-i})

しかし、 \frac{{b}_{0}}{{a}_{0}}×
\frac{{b}_{1}}{{a}_{1}}×
\frac{{b}_{2}}{{a}_{2}}×
\cdots × \frac{{b}_{n}}{{a}_{n}}という式は、場合の数や確率の計算として考えると、もとの式である \frac{{}_{n}{P}_{r}}{{}_{r}{P}_{r}}とは違う意味の計算になります。(場合の数) ÷(場合の数)ではなく、(確率) ×(確率) ×(確率) × \cdots
×(確率)という計算になっています。

もとの式の意味がわかるように、組合せ( {}_{n}{C}_{r})の公式を相乗記号 \prod(パイ)を使って表した式は、以下の式にしました。
 \frac{\prod_{i=0}^{r-1}(n-i)}
{\prod_{i=0}^{r-1}(r-i)}


【参考にしたサイト】 

◆順列組合せの公式はΠ(総乗)を使うべき: 万象酔歩
http://k-hiura.cocolog-nifty.com/blog/2012/10/post-194f.html


以下の記事に続きます。
AKBリクアワ2018の結果と場合の数と確率(3) - 丿乀庵【へつぽつあん】

AKBリクアワ2018の結果と場合の数と確率(1)

≪はじめに≫

以下の平山朝治氏のブログ記事(以下、平山氏の記事)で、確率の値をもとに「AKB48グループリクエストアワーセットリストベスト100 2018」(以下、AKBリクアワ2018)で不正(順位の捏造)があったと指摘されています。

「NGT48問題・第四者による検討結果報告」| 平山朝治のブログ https://ameblo.jp/vyc13162/entry-12659361835.html?frm=theme

平山氏の確率を使った分析には疑問を感じるところがいくつもあります。

筆者は、山口真帆さん・長谷川玲奈さん・菅原りこさんを応援していて、AKS(現・ヴァーナロッサム)の対応には疑問を感じています。

しかし、だからといって、AKS(現・ヴァーナロッサム)の疑惑を批判するためなら何をしても良いとは思いません。

場合の数と確率について考えるためのいいサンプルになりそうなので、これから複数回にわたって、平山氏の記事に書かれている内容をもとに場合の数と確率について、いろいろと考えてみたいと思います。

平山氏の記事に書かれている内容の疑問点を一つ一つ確認しながら、あえて、不正は無かったという前提で自分なりのAKBリクアワ2018のランキング結果についての考察結果も示したいと思います。

その際に、AKBグループの各グループごとのファンの実際の投票傾向などには立ち入りません。グループごとの曲数・投票数・ファンの人数の違いを考慮した上での計算結果と、そこから考えられる可能性を述べるにとどめます。

もしかしたら、場合の数と確率に関する考え方や計算に間違いがあるかもしれません。もしも間違いがあったら、コメント欄で、ご指摘して頂けると助かります。

なお、筆者は、AKBグループやリクエストアワーのことについては、よくわかっていません。リクエストアワーや、リクエストアワーのランキング結果に対する考察方法については、以下のリンク先の各記事を参考にさせていただきました。

NGT論文まとめ | 想像上のLand's berry
https://ameblo.jp/flowinvain/entry-12681642081.html


以下の記事に続きます。
AKBリクアワ2018の結果と場合の数と確率(2) - 丿乀庵【へつぽつあん】